日経BP社の新聞発表

 

2002年3月22日


2002年「日経BP技術賞」決定
大賞に「冷蔵庫のノンフロン化を実現した冷媒の防爆技術」


 日経BP社主催の2002年(第12回)「日経BP技術賞」がこのほど決まりました。

 本賞は日経BP社がわが国の技術の発展に寄与する目的で創設したものです。毎年1回、電子、情報通信、パソコン、機械システム、建設、医療・バイオ、エコロジーの各分野で、産業や社会に大きなインパクトをもたらす優れた技術を表彰します。

 今回は2001年中に開発された技術の中から、審査委員会(委員長・大野豊京都大学名誉教授)が、以下の大賞と部門賞を選出しました。

 大賞は高市健二松下冷機株式会社冷機研究所商品開発グループ主任技師らと、小杉高生株式会社東芝家電機器社キッチンソリューション部冷蔵庫技術部部長らの「冷蔵庫のノンフロン化を実現した冷媒の防爆技術」の2点に決まりました。このほか14件の部門賞を決めました。表彰式は4月5日午前11時から東京・虎ノ門のホテルオークラで行います。

<大賞>
▲冷蔵庫のノンフロン化を実現した冷媒の防爆技術
 高市 健二  松下冷機株式会社 冷機研究所 商品開発グループ 主任技師
 山田 宗登  松下冷機株式会社 冷機研究所 商品開発グループ
 山本 清則  松下冷機株式会社 冷蔵庫事業部 技術グループ 冷却設計チーム 主任技師
 横江 章   松下冷機株式会社 冷蔵庫事業部 技術グループ 冷却設計チーム 技師
 前田 利樹  松下冷機株式会社 冷熱部品事業部 エレメカグループ技術チーム
 佐藤 純   松下冷機株式会社 コンプレッサー事業部 エンジニアリンググループ 商品開発チーム 技師

▲冷蔵庫のノンフロン化を実現した冷媒の防爆技術
 小杉 高生  株式会社東芝 家電機器社 キッチンソリューション部 冷蔵庫技術部 部長
 平井 愼二  株式会社東芝 家電機器社 キッチンソリューション部 冷蔵庫技術部
 猿田 進   株式会社東芝 家電機器社 キッチンソリューション部 冷蔵庫技術部
 加藤 敏光  株式会社東芝 家電機器社 キッチンソリューション部 冷蔵庫企画担当
 前川 保   株式会社東芝 家電機器社 統括センター 生産管理・製造技術担当
 本間 久憲  東芝キヤリア株式会社 部品統括部 第二コンプレッサ部 設計担当

 霜取り用ヒーターやモーターが可燃性のノンフロン冷媒に着火することを防止する技術を開発、イソブタンを冷媒に使うノンフロン冷蔵庫を製品化した。

<部門賞>
◇電子部門
▲一括プレス式で高密度多層基板を作製する技術
 花井 嶺郎  株式会社デンソー 取締役
 小島 史夫  株式会社デンソー 生産技術開発部 部長
 近藤 宏司  株式会社デンソー 生産技術部 主任部員

 共通の基板シートを使い、仕様に合わせて一括プレスで高密度多層基板を製造する技術を開発した。生産リードタイムを従来の5分の1に短縮できる。

▲次世代システムLSI向け電子ビーム露光技術「LEEPL」の開発
 川平 博一  ソニー株式会社 セミコンダクタネットワークカンパニー
 LSIテクノロジー開発部門 リソグラフィ技術部 統括部長
 守屋 茂   ソニー株式会社 セミコンダクタネットワークカンパニー
 LSIテクノロジー開発部門 主幹研究員
 内海 孝雄  株式会社リープル 代表取締役会長
 島津 信生  株式会社リープル 代表取締役社長
 遠藤 章宏  株式会社リープル 開発部門 シニアマネジャー
 蔦  清昭  株式会社東京精密 代表取締役C.T.O.企画主幹

 0.07ミクロン以降の設計ルールに対応する、低加速電圧の電子ビーム露光技術を開発した。ウエハーとマスクを近接させて、低加速電子ビームを照射、パターンを転写する。

◇情報通信部門
▲オープン・ソースのRDBMSであるPostgreSQLをクラスタ化する「Usogres」
 細川 哲一 合資会社ディア 代表

 データベース管理ソフト「PostgreSQL」をクラスター化するオープン・ソース・ソフトウエアを開発した。2台のサーバーのうち、1台に障害が発生しても継続してサービスを提供できる。

▲自立したネットワーク間の経路障害を自動検出する「ENCORE」
 明石 修    日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 ネットワークインテリジェンス研究部 主任研究員
 丸山 充    日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 ネットワークインテリジェンス研究部 主幹研究員
 菅原 俊治   日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 ネットワークインテリジェンス研究部 主幹研究員
 村上 健一郎  日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 ネットワークインテリジェンス研究部 主幹研究員
 小柳 恵一   日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 ネットワークインテリジェンス研究部 部長
 高橋 直久   名古屋工業大学 電気情報工学科 教授

 AS(あるルーティング・ポリシーで運営される、インターネット接続事業者や大学、企業などのネットワーク)間の経路障害を自動検出するシステムを開発した。

◇パソコン部門
▲携帯電話向けJavaアプリサービスで先陣を切った「iアプリ」
 夏野 剛   株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ iモード事業本部 iモード企画部長
 千葉 耕司  株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 移動機開発部 PDC・PHS移動機担当 主幹技師

 Javaプログラム「iアプリ」を携帯電話で利用できるサービスの提供を始めた。開発環境を無償で提供するなどして、アプリケーションの充実を図った。

▲ネット上の楽曲をMDに高速記録できる「Net MD」技術
 吉田 忠雄   ソニー株式会社 AV/IT開発本部 AU開発部門 部門長
 佐々木 高行  ソニー株式会社 ブロードバンドネットワークセンター
 ネットワークアプリケーション&ソリューションズ  部門長
 阿部 三樹   ソニー株式会社 AV/IT開発本部 開発部門1部EMDシステム開発PJ 部長
 今井 勉    ソニー株式会社 AV/IT開発本部 開発部門NDフォーマット部 部長

 音楽データをパソコンからMD(ミニディスク)機器に著作権を保護しながらUSB経由で高速転送する技術と規格を開発した。

◇機械システム部門
▲軽量な3次元データ形式「XVL」
 千代倉 弘明  ラティス・テクノロジー株式会社 取締役会長
 鳥谷 浩志   ラティス・テクノロジー株式会社 代表取締役社長
 原田 毅士   ラティス・テクノロジー株式会社 開発本部 本部長
 井一 義人   ラティス・テクノロジー株式会社 営業本部 統括部長
 矢島 誠    ラティス・テクノロジー株式会社 開発本部 ソリューションエンジニア
 関 牧人    ラティス・テクノロジー株式会社 開発本部 ソリューションエンジニア

 少ないデータ量で精度の高い形状表現ができるモデリング方法を開発した。ネットワークを介して工学的な精度を持つ形状を表現するのに適している。

▲アルミ合金製エンジンのライナレスめっき技術
 嶌崎 陽一  スズキ株式会社 開発グループ長
 加藤 英純  スズキ株式会社 開発グループ 第一グループ 課長代理
 村松 仁   スズキ株式会社 開発グループ 第一グループ 係長
 黒田 徹也  スズキ株式会社 生産技術第一グループ 第三グループ

 アルミニウム合金製エンジンに使われていた鋳鉄製ライナーをニッケル・リン・炭化ケイ素の皮膜で置き換えるめっき技術を開発した。

◇建設部門
▲アクロス福岡の緑化技術
 淺石 優   株式会社日本設計 第四建築設計群 担当部長
 平田 哲   株式会社竹中工務店 東京本店 設計専門役
 田瀬 理夫  株式会社プランタゴ 代表
 峰廣 照夫  三井不動産株式会社 建設企画部 部長(技術担当)
 渡辺 隆   第一生命保険相互会社 不動産部 建築業務課 課長補佐

 14階建てビルの南側を階段状にセットバックさせ、テラスを全面的に緑化した。無機質の人工軽量土壌を敷いて約3万5000本の植物を植えている。ヒートアイランド現象を緩和する効果がある。

▲鋼・コンクリート複合アーチ橋をはじめとする一連の複合構造橋の実用化
 小川 篤生  日本道路公団 技術部長
 角 昌隆   日本道路公団 技術部 構造技術課長
 角谷 務   日本道路公団 関西支社 建設第二部長

 1999年に東海北陸自動車道の本谷橋として波形鋼板ウエブPC橋を完成して以来、鋼材とコンクリートによる複合構造を一連の橋に採用、施工費の大幅な削減を可能にした。

◇医療・バイオ部門
▲高効率リボザイムの開発
 多比良 和誠  東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 教授
 独立行政法人産業技術総合研究所 ジーンディスカバリーセンター 副センター長
 川崎 広明   東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 助手
 藁科(桑原)知子  独立行政法人産業技術総合研究所 ジーンディスカバリーセンター 研究員
 藁科 雅岐   米スクリプス研究所 化学系 博士研究員
 宮岸 真    東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 助手
 藤田 聡史   東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 日本学術振興会 特別研究員

 RNA(リボ核酸)を分解する機能を持つ核酸であるリボザイムを2量体にしたり、酵素の結合モチーフと結合させたりして、実用性の高いリボザイムを開発した。

▲簡便かつ非侵襲的に動脈硬化の進展度が分かる血圧脈波検査装置 「フォルムPWV/ABI」の開発
 小椋 敏彦  日本コーリン株式会社 ATカンパニー開発部 フォルム技術開発チームリーダー
 西林 秀郎  日本コーリン株式会社 ATカンパニー開発部
 若宮 祐之  日本コーリン株式会社 ATカンパニー開発部
 鈴木 英範  日本コーリン株式会社 ATカンパニー開発部
 高屋 正美  日本コーリン株式会社 ATカンパニー開発部
 本田 孝   日本コーリン株式会社 ATカンパニー開発部
 塚原 弘政  日本コーリン株式会社 ATカンパニー開発部

 マンシェットを四肢に巻くだけで、ABPI(上腕足関節血圧比)とPWV(脈波伝播速度)を同時に測定できる装置を開発した。動脈の狭窄・閉塞の程度や動脈壁の硬さを臨床医が簡単に測定できる。

◇エコロジー部門
▲使用済みペットボトルを化学分解し、再びペットボトル原料に戻すリサイクル技術
 栗原 英資  帝人株式会社 原料重合技術開発部長
 佐藤 和広  帝人株式会社 繊維技術統括室 原料重合担当課長
 中島 実   帝人株式会社 原料重合技術開発部 原料技術開発室長

 ペットボトルなどに使われるポリエステルを化学分解し、ジメチルテレフタレートなどを製造、再びポリエステルの化学原料として使うプロセスを確立した。使用するエネルギーはバージン材よりも少なく、製造コストは同等。

▲洗剤不要で洗濯できる電解水・超音波洗浄技術
 「超音波と電解水で洗おう」商品化グループ 代表
 藤田 修   三洋電機株式会社 ホーム・アプライアンスカンパニー電化事業部 事業部長
 松本 雅和  三洋電機株式会社 ホーム・アプライアンスカンパニー電化事業部 第一技術部 技術一課 課長

 軽い汚れなら洗剤なしで洗浄できる。超音波と水流で汚れを落とし、水道水を電気分解して発生させた活性酸素と電解次亜塩素酸で汚れを分解、除菌する洗濯機を開発、製品化した。

□審査委員(敬称略)
審査委員長
大野 豊 京都大学名誉教授
審査委員(五十音順)
 相磯 秀夫  東京工科大学学長
 大石 道夫  かずさディー・エヌ・エー研究所所長
 岡田 恒男  芝浦工業大学工学部建築工学科教授
 川島 一彦  東京工業大学大学院理工学研究科教授
 木村 文彦  東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻教授
 窪田 芳夫  東京電力顧問
 小林 繁夫  東京大学名誉教授
 櫻井 靖久  東京女子医科大学名誉教授
 芝野 耕司  東京外国語大学情報処理センター長 アジア・アフリカ言語文化研究所教授
 鈴木 基之  国際連合大学副学長
 高橋 三雄  麗澤大学国際経済学部教授
 田中 昭二  国際超電導産業技術研究センター副理事長
 谷本 勝利  埼玉大学工学部建設工学科教授
 寺田 雅昭  国立がんセンター総長
 永田 勝也  早稲田大学理工学部機械工学科教授
 中野 栄二  東北大学大学院情報科学研究科教授
 淵  一博  東京工科大学工学部情報工学科教授
 水野 博之  高知工科大学大学副学長
 山本 良一  東京大学国際・産学共同研究センター長
 脇  英世  東京電機大学工学部情報通信工学科教授
(受賞者および審査委員の所属・肩書きは選考時点のものです)

日経BP社取締役・広報担当 太田民夫

 

 広報内容に関するお問い合わせは、広報室:長谷川、宇田川 電話03-5210-8556にお願いします。また、専門的な内容に関するお問い合わせは「日経BP技術賞」事務局:日経BPコンサルティング 技術研究部 電話03-5210-8363にお願いします。

 


e-mail:webinfo@nikkeibp.co.jp
Copyright