CCAM: クリッカブルオブジェクトの撮影

English

Revised on Oct. 4, 2002


研究の概要

WWW (world wide web)では、静止画をWebのページで表示し、そのうちの部分 領域を選択可能(クリック可能)とし、実際にクリックすると予め指定されて いたURLの情報を提示することができる。動画についても、Webも含めたインター ネットやデジタルTV放送による動画の配信・再生において、動画内の特定の領 域もしくは特定の対象をクリック可能とし、実際にそれをクリックすると関連 した情報(通常はURLで指定)を提示するか、何らかのイベント(プログラム の起動など)を発生させることが可能になってきている(BML, SMIL, Cmewな ど)。

ハイパーリンク(以下単にリンクと呼ぶ)が定義されている(動画、静止) 画像内のクリッカブルな対象は、仮想的にデジタル映像内の領域 (具体的に は映像の座標)で指定されたものであり、そこに写っている対象物を認識し たり、その実体と結びついているわけではない。本来は、映像内の対象では なく、実世界の実体そのものに意味があるので 、そこから実体から関連する 情報にリンクを張ればよいのだが、実世界とインターネット上のサイバー空 間を直接結びつけることは現状ではできない。そのため、写真や絵に書かれ た対象物をその実体のシンボル(象徴)と考え、対応させている。しかし、 その写真や絵の中の対象物もコンピュータが認識しているわけではなく、人 間が個々の映像ごとにその対象を理解し、映像内の領域を指定し、そこにURL などのリンクを関連づける作業を行っている。

さらに、動画の一部にクリック可能なエリアを指定す ることは容易ではない。リンクを貼り付けたい対象物は、フレームごとに画像 内での位置が変わり、実際には各フレームごとに領域を指定する作業が必要に なる。この問題に対処するために、たとえばCmewでは、簡易な画像認識アルゴ リズムを導入し、あるフレームで対象物の領域を指定すると、それ以降は移動 に合わせて領域を追随させる試みを行っている。しかし、現状の画像認識 技術は精度の面で十分に強力でなく、あまり物体の追跡はできないか、精度の 高い認識のためにかなりの処理時間を必要とする。このためにVHMでは、物 体の追跡は行わず、数フレームごとに人間が領域を指定し、線形補間で近似す る方式も取られている。しかし、人間の作業量は少ないとは言えず、さらに対 象物はいつも線形的に動くわけではないので、やはり人による注意深い編集が 必要となる。

本研究では、実体をデジタル(ビデオ)カメラで撮影するときに、クリック可 能としたい対象が写っている領域と、そのリンク先URLや撮影時刻など、関連 する情報も同時に取得/記録/再生するモデルの提案と、その一実現方式につい て述べる。本方式で撮影した映像をブラウザなどで提示すると、クリック可能 な対象の範囲やリンク先URLなども、埋め込まれた関連情報から得られる(静 止画の場合には、撮影すればイメージマップができることを意味する)。同様 なこと実現する研究として、現実の世界にテキストや映像などのデジタルデー タを埋め込む拡張現実感(augmented reality、AR)などがある。ARでは、 実世界を計算機などを通して、付随する情報や仮想的な物体像を張り合わせて 映し出し、情報の添付、あるいはエンターテインメントなどを実現するもので ある。通常は、情報が添付されているところには、同定のためのタグや装置が 置かれており、その情報にもとづいて付加情報の出現位置を決めている。

一方、本研究で作られる映像は、人間の目に見えた通りであり、タグや装置な ど特別なものは写らない(少なくとも人が見る限りでは)ことを基本方針とす る。さらに、特定の場所ではなく、撮影した映像内での領域を同定することに 主眼を置く。もちろん、生成された映像と関連情報を使って、テキストや映像 をはめ込むことは可能であるが、ここでは言及しない。むしろ映像は見た目は 自然なもので、その中のクリッカブルとしたい対象の領域を純粋に抽出するこ とを目的とする。このように作られた映像をインターネットで受信しブラウザ やプレイヤで再生したり、デジタルTVとしてケーブルや衛星で配信し、視聴し ているときに、そこに映っているある対象をクリックすることで、何らかのイ ベントを発生させることを実現させたいというのが目標である。

  • 撮影の仕組みと映像の例(準備中)
  • 関連論文

    Members

    菅原 俊治
    高田 敏弘
    青柳 滋己
    佐藤 孝治
    栗原 聡


    Back to the top page


    © Toshiharu Sugawara